佃祭り
4月6日(日曜日)
時より小雨が降るなか
落語に因んだ場所を巡り歩き!
第二段。
前回の第一段は・・・
地元から近い
【目黒のさんま】でしたが・・・
今回は、【佃祭り】
落語の噺は?
神田お玉が池の小間物屋の主人、次郎兵衛さん、大のお祭り好き。
8月6日の佃島の住吉神社の祭礼に出掛けて行く。
中央区の湊から佃まで、隅田川の渡し船を使い佃島にわたる。
住吉神社の大祭は、現在三年に一度。
今も昔も、さぞや賑やかな祭礼だった事でしょう!
丸一日佃島の住吉神社の祭礼を見物した次郎兵衛さん
しまい(最終便)の渡し船で、湊に渡り帰宅するつもりで、佃の渡し船の乗り場で船に乗ろうとした時・・・
女の人が袖を引っ張る。
『あの〜もし!』
『何をするんですか?この船に乗り遅れると、湊の方へ行けなくなるじゃないですか、隅田川を渡らなければ、自宅に帰れなくなっちゃいますよ』
『やっと見つけた!』
そんな押し問答をしているうちに、しまい船は、佃の渡し場から出航してしまう。
『何で袖を引っ張るんですか?しまい船が出てしまっちゃいましたよ、家に帰れなくなっちゃいましたよ、訳を聞かせてください!』
袖を引っ張った女は・・・
『実は、三年前に、当時勤めていたお店の集金した売掛金を、途中で無くし、途方にくれて、こうなったら・・・死んでお詫びをしようと、吾妻橋から飛び込もうとした時、丁度通りかかった旦那様に、五両のお金をめぐんで頂き、お店の売掛金を穴をあけずに済みました。今日まで生きながら得たのは、旦那様のおかげです』
『そうでしたか?』
『あの節は、ありがとうございました。但しお名前も伺っていなかったので・・・旦那様を探したのですが・・・今日まで、お礼が出来ずに、申し訳ございません。』
『そう言われてみると、そのような事が有ったらような気がしますね。でも、しまい船が出てしまったので、わたしは、家にかえれなくなりましたよ』
『それは、ご心配無く、うちの人が漁師をしておりますので、いつでも主人が向こう岸へお渡しいたします。まずは家にお寄りください』
一旦女の人の家で落ち着いていると・・・
外が騒がしくなる。
どうした事か?調べてみると、次郎兵衛さんが乗るつもりだった、しまい船が湊の渡しに着く手前で沈んでしまった!
船に乗っていた人を助けるために、あたりが騒然となっているのであった。『あ〜あのしまい船にわたしが乗っていたら・・・泳げないわたしは、死んでしまった事だろう?今度は貴女にわたしが助けて頂いた!』
そんな所へ亭主の金太郎が帰宅。
女房の命を助けてくれた旦那様にお礼をして。
しまい船が沈んでしまった事態で、助け船を出さねばならない事情を説明。
『必ず今晩、湊まで船でお送りしますから、事態が収まるまで、家でお酒でも飲みながら、ゆっくりして下さい。』
『では、お言葉に甘えて・・・』
そんな同時刻、お玉が池の小間物屋の次郎兵衛さん宅では、次郎兵衛さんが乗っていた、しまい船が沈んでしまったとの一報がもたらされ・・・
女将さんは、気が狂わんばかりに取り乱し!
お店の者、ご近所さんが、女将さんの変わりに葬儀の準備。
遺体は無いが、当日に通夜をしてしまおうという段取りにして・・・
お寺からお坊様にも来てもらう。
通夜が始まり読経が進む中。
助け船の事態収拾が終わった金太郎の船に乗り、湊まで隅田川を渡った次郎兵衛さん、歩いて自宅にたどり着くと・・・
小間物屋の店で読経が聞こえて、葬儀をしている。
次郎兵衛さんは、店の者に、『誰の葬儀ですか?』
『ハイ!うちの旦那様の葬儀です』
『えっ!わたしの?』
お店では、死んでしまったはずの次郎兵衛さんが、帰ってきたので大喜び。
読経をしてもらっていた、お坊様には、次郎兵衛さんから訳を説明して、帰ってもらう事に・・・
帰り際、お坊様が一言。
『情けは、人のためならず』
人にした情けがやがて巡りめぐって、自分に情けが返ってくる。
という噺。
写真は、佃島の住吉神社付近の入江と桜です。
By HB
時より小雨が降るなか
落語に因んだ場所を巡り歩き!
第二段。
前回の第一段は・・・
地元から近い
【目黒のさんま】でしたが・・・
今回は、【佃祭り】
落語の噺は?
神田お玉が池の小間物屋の主人、次郎兵衛さん、大のお祭り好き。
8月6日の佃島の住吉神社の祭礼に出掛けて行く。
中央区の湊から佃まで、隅田川の渡し船を使い佃島にわたる。
住吉神社の大祭は、現在三年に一度。
今も昔も、さぞや賑やかな祭礼だった事でしょう!
丸一日佃島の住吉神社の祭礼を見物した次郎兵衛さん
しまい(最終便)の渡し船で、湊に渡り帰宅するつもりで、佃の渡し船の乗り場で船に乗ろうとした時・・・
女の人が袖を引っ張る。
『あの〜もし!』
『何をするんですか?この船に乗り遅れると、湊の方へ行けなくなるじゃないですか、隅田川を渡らなければ、自宅に帰れなくなっちゃいますよ』
『やっと見つけた!』
そんな押し問答をしているうちに、しまい船は、佃の渡し場から出航してしまう。
『何で袖を引っ張るんですか?しまい船が出てしまっちゃいましたよ、家に帰れなくなっちゃいましたよ、訳を聞かせてください!』
袖を引っ張った女は・・・
『実は、三年前に、当時勤めていたお店の集金した売掛金を、途中で無くし、途方にくれて、こうなったら・・・死んでお詫びをしようと、吾妻橋から飛び込もうとした時、丁度通りかかった旦那様に、五両のお金をめぐんで頂き、お店の売掛金を穴をあけずに済みました。今日まで生きながら得たのは、旦那様のおかげです』
『そうでしたか?』
『あの節は、ありがとうございました。但しお名前も伺っていなかったので・・・旦那様を探したのですが・・・今日まで、お礼が出来ずに、申し訳ございません。』
『そう言われてみると、そのような事が有ったらような気がしますね。でも、しまい船が出てしまったので、わたしは、家にかえれなくなりましたよ』
『それは、ご心配無く、うちの人が漁師をしておりますので、いつでも主人が向こう岸へお渡しいたします。まずは家にお寄りください』
一旦女の人の家で落ち着いていると・・・
外が騒がしくなる。
どうした事か?調べてみると、次郎兵衛さんが乗るつもりだった、しまい船が湊の渡しに着く手前で沈んでしまった!
船に乗っていた人を助けるために、あたりが騒然となっているのであった。『あ〜あのしまい船にわたしが乗っていたら・・・泳げないわたしは、死んでしまった事だろう?今度は貴女にわたしが助けて頂いた!』
そんな所へ亭主の金太郎が帰宅。
女房の命を助けてくれた旦那様にお礼をして。
しまい船が沈んでしまった事態で、助け船を出さねばならない事情を説明。
『必ず今晩、湊まで船でお送りしますから、事態が収まるまで、家でお酒でも飲みながら、ゆっくりして下さい。』
『では、お言葉に甘えて・・・』
そんな同時刻、お玉が池の小間物屋の次郎兵衛さん宅では、次郎兵衛さんが乗っていた、しまい船が沈んでしまったとの一報がもたらされ・・・
女将さんは、気が狂わんばかりに取り乱し!
お店の者、ご近所さんが、女将さんの変わりに葬儀の準備。
遺体は無いが、当日に通夜をしてしまおうという段取りにして・・・
お寺からお坊様にも来てもらう。
通夜が始まり読経が進む中。
助け船の事態収拾が終わった金太郎の船に乗り、湊まで隅田川を渡った次郎兵衛さん、歩いて自宅にたどり着くと・・・
小間物屋の店で読経が聞こえて、葬儀をしている。
次郎兵衛さんは、店の者に、『誰の葬儀ですか?』
『ハイ!うちの旦那様の葬儀です』
『えっ!わたしの?』
お店では、死んでしまったはずの次郎兵衛さんが、帰ってきたので大喜び。
読経をしてもらっていた、お坊様には、次郎兵衛さんから訳を説明して、帰ってもらう事に・・・
帰り際、お坊様が一言。
『情けは、人のためならず』
人にした情けがやがて巡りめぐって、自分に情けが返ってくる。
という噺。
写真は、佃島の住吉神社付近の入江と桜です。
By HB
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