11月10日落語会2
仲入り休憩が入って
柳家 さん喬師匠
【夢金】
マクラでは、『強欲は無欲に似たり』などと申しまして、凡人は、欲張りなもので
すが、身の丈以上の物は望まない事。
そんなマクラから落語の噺、【夢金】に・・・
熊:『100両欲しいよ〜50両欲しいよ〜150両欲しいよ〜200両欲しいよ〜』
船宿の二階で、船頭の熊が欲深い夢を見ながら寝言を言いながら寝ている。
熊の強欲さを『100両欲しいよ〜』という寝言を用いて人物設定を・・・
その船宿に男女の客が深川まで屋形船を仕立てて欲しいと・・・
侍風の男と下駄のハナオが切れた若い女。
兄妹の間柄だとの触れ込み話だが・・・
当日の晩はかなり冷え込んでいる、そんな状況下で船頭として船を出すのが嫌な熊。
疝気の虫がおきて、『親方、断っておくなさい』と二階でグズグズ・・・
客の男が『骨折りの駄賃は過分にしてくれる!』
この一言に俊敏に反応する熊。
強欲さをよく現しています。
屋形船で大川を下る描写でも、当日の雪の降る凍てつく寒さを、熊を通して描写。
会場の席で、噺の中の寒さが十二分に伝わってきました。
訳ありの客の男女は、兄妹ではなく・・・
男は娘の所持している金(大金)を狙っていて、娘を殺めて、その金を奪う算段。
そんな片棒に熊を誘う。
殺しの片棒として、最初は、『2両でどうだ?』
『冗談じゃないよ、人殺しの手伝いをさせられて、たったの2両かい?』
『では、山分けという事で・・・』
強欲な熊もここで手を打つ(娘を殺すという訳を聞いたからには、船頭のお前(熊)を生かしてはおれないと脅される)こんな事情もありました。
金は欲しいが人殺しまでは・・・したくない。
そんな熊の機転により、船中での殺害ではなく、船を中州に着け、そこで犯行を実行するように話をし、段取ります。
落語の巌流島と同じく侍だけを中州に上げ、熊は船を川中へ漕ぎ戻る。
泳ぎの出来ない侍は、ひとり中洲に取り残される。
熊は、娘を実家のお店に連れ戻ると、お店は、娘が行方不明のため大騒ぎ・・・
行方不明になっていた、娘を熊が連れて来たから、お店の旦那をはじめ一堂大喜びに一安心。
旦:『危ういところだった、娘の命を助けて下さり、店まで連れ帰って来てくれた。お礼は、改めていたしますが・・・これは、気持ちばかりの酒手です』
熊:『そんなつもりでやった事ではありません。もし、娘さんを殺す片棒をかついでいても、最後には、あの侍に口封じの為にあっしは殺されていました。あっしの方が逆に命を助けて貰ったようなもんですから!』
お店の旦那も『はいそうですか』とはいかず、無理矢理熊の懐に酒手を捩じ込む。
着物の上から、酒手を触ってみると・・・
『50両のくるみと50両のくりみが二つ・・・100両だぁ〜♪\(^o^)/』
船宿の主人が『熊のやつ、また金の夢をみてやがる!』
こんな夢オチになっていました。
本日のさん喬師匠の【笠碁】と、【夢金】とても良かったです!
神田 松鯉師匠
【名人小團次】
マクラ?(講談もマクラというのかしらん?)で、松鯉師匠、ご自分の経歴に触れました。
役者、歌舞伎役者の変遷を経て、講談師になられたそうです。
噺は、名人小團次、関西で、歌舞伎役者になり、大部屋の役者から、次第に大役を任されるようになるが・・・
ある芝居で、舞台に出てくるタイミングに舞台に出てこない!
芝居がメチャクチャになったと、座頭に叱責され、二階の楽屋横の階段から蹴落とされる。
破門同然に、一座から姿を消す小團次。
十数年後、関西歌舞伎座頭が一座を連れて江戸に初興業にやってくる。
初日から大入りの興業が続くが、ある日を境に、客足が悪くなる。
江戸の歌舞伎の一座が公演を始めた為の客足低下であった。
そんなある日、江戸の歌舞伎一座の座頭から、関西の歌舞伎の座頭に、会いに来て欲しいとの文が届く。
向こうから出向くのが筋なのにと、怒るが『江戸では、こちらが新参者』と、相手方へ出向く事に・・・
江戸の歌舞伎一座へ出向いた、関西の座頭、挨拶に出てきたのは、十数年前に、破門にした、あの小團次。
聞けば、階段から蹴落とされるた時に、拾った親方(座頭)の楽屋草履を懐に・・・
単身江戸に出てきた、江戸の歌舞伎一座の市川団十郎の一座に入り、また、大部屋役者からやり直した!
関西の座頭の草履を神棚にあげ、毎日毎日、芝居が上手くなりますようにと、拝んだとの事。
元々関西で出世した、役者小團次、江戸の歌舞伎一座でもメキメキ頭角を表して出世!
名題まで上り詰める。
今日の自分が有るのは、関西の親方のおかげです。
そんな話を聞かされ、五分と五分の盃を交わそうと提案する。
十数年前の芝居の失態をも取り消され・・・
めでたしめでたし?
こんな噺だった?
馴染みの無い講談でしたが、二席しっかり聞けました。
By HB
柳家 さん喬師匠
【夢金】
マクラでは、『強欲は無欲に似たり』などと申しまして、凡人は、欲張りなもので
すが、身の丈以上の物は望まない事。
そんなマクラから落語の噺、【夢金】に・・・
熊:『100両欲しいよ〜50両欲しいよ〜150両欲しいよ〜200両欲しいよ〜』
船宿の二階で、船頭の熊が欲深い夢を見ながら寝言を言いながら寝ている。
熊の強欲さを『100両欲しいよ〜』という寝言を用いて人物設定を・・・
その船宿に男女の客が深川まで屋形船を仕立てて欲しいと・・・
侍風の男と下駄のハナオが切れた若い女。
兄妹の間柄だとの触れ込み話だが・・・
当日の晩はかなり冷え込んでいる、そんな状況下で船頭として船を出すのが嫌な熊。
疝気の虫がおきて、『親方、断っておくなさい』と二階でグズグズ・・・
客の男が『骨折りの駄賃は過分にしてくれる!』
この一言に俊敏に反応する熊。
強欲さをよく現しています。
屋形船で大川を下る描写でも、当日の雪の降る凍てつく寒さを、熊を通して描写。
会場の席で、噺の中の寒さが十二分に伝わってきました。
訳ありの客の男女は、兄妹ではなく・・・
男は娘の所持している金(大金)を狙っていて、娘を殺めて、その金を奪う算段。
そんな片棒に熊を誘う。
殺しの片棒として、最初は、『2両でどうだ?』
『冗談じゃないよ、人殺しの手伝いをさせられて、たったの2両かい?』
『では、山分けという事で・・・』
強欲な熊もここで手を打つ(娘を殺すという訳を聞いたからには、船頭のお前(熊)を生かしてはおれないと脅される)こんな事情もありました。
金は欲しいが人殺しまでは・・・したくない。
そんな熊の機転により、船中での殺害ではなく、船を中州に着け、そこで犯行を実行するように話をし、段取ります。
落語の巌流島と同じく侍だけを中州に上げ、熊は船を川中へ漕ぎ戻る。
泳ぎの出来ない侍は、ひとり中洲に取り残される。
熊は、娘を実家のお店に連れ戻ると、お店は、娘が行方不明のため大騒ぎ・・・
行方不明になっていた、娘を熊が連れて来たから、お店の旦那をはじめ一堂大喜びに一安心。
旦:『危ういところだった、娘の命を助けて下さり、店まで連れ帰って来てくれた。お礼は、改めていたしますが・・・これは、気持ちばかりの酒手です』
熊:『そんなつもりでやった事ではありません。もし、娘さんを殺す片棒をかついでいても、最後には、あの侍に口封じの為にあっしは殺されていました。あっしの方が逆に命を助けて貰ったようなもんですから!』
お店の旦那も『はいそうですか』とはいかず、無理矢理熊の懐に酒手を捩じ込む。
着物の上から、酒手を触ってみると・・・
『50両のくるみと50両のくりみが二つ・・・100両だぁ〜♪\(^o^)/』
船宿の主人が『熊のやつ、また金の夢をみてやがる!』
こんな夢オチになっていました。
本日のさん喬師匠の【笠碁】と、【夢金】とても良かったです!
神田 松鯉師匠
【名人小團次】
マクラ?(講談もマクラというのかしらん?)で、松鯉師匠、ご自分の経歴に触れました。
役者、歌舞伎役者の変遷を経て、講談師になられたそうです。
噺は、名人小團次、関西で、歌舞伎役者になり、大部屋の役者から、次第に大役を任されるようになるが・・・
ある芝居で、舞台に出てくるタイミングに舞台に出てこない!
芝居がメチャクチャになったと、座頭に叱責され、二階の楽屋横の階段から蹴落とされる。
破門同然に、一座から姿を消す小團次。
十数年後、関西歌舞伎座頭が一座を連れて江戸に初興業にやってくる。
初日から大入りの興業が続くが、ある日を境に、客足が悪くなる。
江戸の歌舞伎の一座が公演を始めた為の客足低下であった。
そんなある日、江戸の歌舞伎一座の座頭から、関西の歌舞伎の座頭に、会いに来て欲しいとの文が届く。
向こうから出向くのが筋なのにと、怒るが『江戸では、こちらが新参者』と、相手方へ出向く事に・・・
江戸の歌舞伎一座へ出向いた、関西の座頭、挨拶に出てきたのは、十数年前に、破門にした、あの小團次。
聞けば、階段から蹴落とされるた時に、拾った親方(座頭)の楽屋草履を懐に・・・
単身江戸に出てきた、江戸の歌舞伎一座の市川団十郎の一座に入り、また、大部屋役者からやり直した!
関西の座頭の草履を神棚にあげ、毎日毎日、芝居が上手くなりますようにと、拝んだとの事。
元々関西で出世した、役者小團次、江戸の歌舞伎一座でもメキメキ頭角を表して出世!
名題まで上り詰める。
今日の自分が有るのは、関西の親方のおかげです。
そんな話を聞かされ、五分と五分の盃を交わそうと提案する。
十数年前の芝居の失態をも取り消され・・・
めでたしめでたし?
こんな噺だった?
馴染みの無い講談でしたが、二席しっかり聞けました。
By HB
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