6月22日落語会2
柳家 わさび 【お見立て】
初めましての噺家さんのわさびさんです。
わ:『10回記念の特別ゲストです。10回記念のわさびです。
袖で、兼好師匠の噺を聞いていましたが・・・
あれで・・・ボクの事・・・好きで呼んでくれたのかなぁ〜???
会場のあるこちら、中野には、メイドバーが有りました、もう無くなっちゃったんですけど、そこでは、私の事を『師匠!』って呼ばさせていました♪
ですから・・・ここ中野では、私の方が、春風亭一之輔より先に真打になっていたんです・・・♪
ここで、言いますが・・・大丈夫かなぁ〜???
楽屋では、言えなかったんですが・・・ここ15日くらい、落語やっていなかったんですよ♪
本職は【草むしり】ですから・・・』
普通なら・・・ゲストに呼んでもらって、感謝するのに・・・?
わさびさんって・・・天然?
結構カミングアウトし過ぎじゃない?
本職は草むしりってどんな仕事よ・・・?
こんなマクラから噺に・・・
わ:『最近は、遊ぶ場所が増えてきました♪
昔の遊びは・・・吉原で・・・
『吉原遊女3000人』などと申しまして・・・
遊女の事を【オイラン】って言いますが・・・
あれは、何でか?
楽屋で師匠方に聞いたんです
すると・・・『狐・狸は・・・尾で化かす♪オイランは・・・口で騙すから・・・尾(オ)イラン!』なんですって♪』
こりゃ〜初耳な話だわ〜♪
オイランの語源に感心しきりで・・・
肝心の噺【お見立て】が逆に印象に残らなかったのが残念♪
【オイラン】の語源の話を噺の中程に挿入すれば良いのに・・・
仲入り
柳家 わさび 【茗荷屋】
以前一度、桃月庵白酒師匠から聞いた事がある噺。
わさびさん、白酒師匠から教えて貰ったのかしらん?
マクラでは・・・
わ:『夏場は暑くてモウロウとします、私、前座時代は、内弟子として修業しておりました、その頃、兄弟子の新八兄さんに、オサワリパブに連れていってもらいました♪早速翌日に、お礼の手紙を出しました♪
その手紙の文字は・・・私、寄席文字が書けるんですよ♪なので、寄席文字で・・・
しかし、その当時、新八兄さんは・・・新婚生活時代だったんですよ!
ボンヤリしていたらイケないって事ですね』
新婚生活家庭にオサワリパブのお礼の手紙を・・・?
ここで、
わさびさんおもむろに・・・
わ:『マクラを間違えた!』
えっ!???
わ:『新たに噺を覚えたくて、ある師匠に『教えて下さい!』ってお願いしたら・・・YouTubeに出ているから、とりあえずそれ見て、覚えてきて♪』
その話・・・本当ですか・・・?
こんなマクラから噺【茗荷屋】に・・・
でも、【茗荷屋】なら、前半の『間違えた!』ってマクラの話で、十分に噺の繋がりが有るのに・・・
『間違えた!』っていうのも、ボンヤリしていた・・・って事の振りなのかしらん?
だとすると、『間違えた!』は、緻密に計算された台詞になりますよねぇ・・・
計算しつくされた台詞か?またまた、たまたまそうなったのか?
真相は・・・???
わ:『現代は、宅急便などがあり、物流が発達しておりますが・・・江戸時代では【飛脚】が活躍しておりました。
その中には、江戸←→京を月に三往復もする早飛脚などもおりました♪』
茗荷屋という宿場外れの宿屋、そこの、老夫婦が宿屋名にもなっている宿屋の回りに自生している茗荷(茗荷を食べると物を忘れる)で、早飛脚が運んでいた100両の金子を忘れさせてしまおうと、一晩宿をとった飛脚に茗荷づくしの料理を出す♪
味噌汁・漬け物・焼き茗荷・茗荷の刺身・煮茗荷・茗荷の炊き込みごはん、翌朝の朝食には、焼き茗荷を半分に切った茗荷の開き・半熟茗荷、などなどとまさに、茗荷茗荷茗荷のオンパレード♪
早飛脚は、朝飯後に、挟み箱(100両が入った荷)を忘れて出発♪
まんまと茗荷計画が成功したと、喜んでいた茗荷屋の老夫婦、そこへ、荷を忘れたと、早飛脚が宿屋に戻ってきて、シッカリ荷を受けとり、再出発。
茗荷作戦は、大失敗♪だけど・・・何か忘れてる♪
それは・・・
早飛脚が宿代を払うのを忘れて行ってしまった!
というオチでした。
三遊亭 兼好師匠 【佃祭】
マクラでは・・・
兼:『ねぇ〜♪捉え所が無いでしょ〜♪
『マクラを振り間違えた!』って、あんなに、堂々とねぇ〜♪』
確かに・・・
兼:『人それぞれ得意分野というものが有りまして・・・
例えば、手術をするお医者様、心臓外科やら胃を専門に手術されるお医者様もいます。
心臓の専門外科医が、腸の手術が出来ますか・・・?・・・【チョーめんどくさい!】ってなりますでしょ?
神様にも得意分野が・・・
水天宮様は・・・産婦人科で、歯の神様は・・・戸隠様、川に掛かった橋の上から袂に入れておいた【梨】を願掛けしながら川へ放る、そして梨を食べない』
これは、現代では行われなくなっている風習の説明なので・・・噺【佃祭】のフルバージョンでのオチの説明ですね。
神田お玉が池の小間物屋の次郎兵衛さん、その女将さんってのが、ひどくヤキモチやきで、ヤキモチをやくと・・・次郎兵衛さんの顔を引っかくのだが・・・引っかかれた次郎兵衛さんの顔には・・・【編み目】の痕がつくように引っかく!
顔中編み目模様の引っかき傷の次郎兵衛さんの顔を想像しただけで・・・笑いがこみ上げて来ます。
祭り好きな次郎兵衛さんが、佃島の祭り【佃祭】を見に、佃島へ渡る・・・
祭り見物も済み、隅田川の渡し舟、終い舟に乗り込もうとすると・・・終い舟に乗せまいと次郎兵衛さんの着物の袖を引っ張る女性が・・・
その女性に着物の袖を引っ張られながら・・・次郎兵衛さん『私は、この終い舟に乗って帰らなくてはならないんですよ・・・もし、舟に乗り損なって、この佃島で一泊なん事になったら・・・喉に噛み付いてくるような女将さんがいるんですよ・・・』
引き止める女性も、それを振り払おうとする次郎兵衛さんも、どちらも必死・・・
終い舟に乗りそこなった、次郎兵衛さんが、終い舟の船頭に・・・『船頭さん!手を振っていては・・・ダメだよ!』
このセリフ・・・好きです♪
引き止めた女性に引き止めた訳(5年前に奉公先の売り掛けを無くし、途方に暮れて・・・お詫びに橋から身投げをしようとしていたところ、たまたまそこを通りかかった次郎兵衛さんに無くした売り掛け5両を恵んでもらった。その時は、ただただうれしくて、命の恩人の住まいもお名前も聞き忘れてしまった)を話し、自分の亭主が船頭をしてるので、必ず向こう岸に旦那様(次郎兵衛さん)をお連れいたします、亭主が帰ってくるまで、我が家でお寛ぎ下さいと女性の自宅へ招く。
帰れる算段のたった次郎兵衛さんは、勧められるままに、酒を飲み出す。
その頃、次郎兵衛さんが乗るつもりだった、終い舟、定員オーバーもいいところだった為に、なんと川の途中でひっくり返ってしまい、乗客が皆溺れてしまったとの連絡を亭主の船頭金五郎がもたらす。
それを聞いた次郎兵衛さん・・・『もし・・・私があの終い舟に乗っていたら・・・泳げない私は・・・鳥肌がたちましたよ!5両を恵まれて、命を救われましたとあなたは仰ったが・・・今度は私が終い舟に乗れないようにあなたに引き止められ、私が救われました!』
ここで、亭主金五郎が・・・『情けは人のためならず。旦那が旦那を助けたんですよ!』
【人に情けを掛けるのと・・・いずれその情けが自分に返ってくる】っていう意味ですね。
この【佃祭】の噺を知る前は【情けは人のためならず】の本当の意味を穿違えておりました。
このシーンも大好きです。
By HB
初めましての噺家さんのわさびさんです。
わ:『10回記念の特別ゲストです。10回記念のわさびです。
袖で、兼好師匠の噺を聞いていましたが・・・
あれで・・・ボクの事・・・好きで呼んでくれたのかなぁ〜???
会場のあるこちら、中野には、メイドバーが有りました、もう無くなっちゃったんですけど、そこでは、私の事を『師匠!』って呼ばさせていました♪
ですから・・・ここ中野では、私の方が、春風亭一之輔より先に真打になっていたんです・・・♪
ここで、言いますが・・・大丈夫かなぁ〜???
楽屋では、言えなかったんですが・・・ここ15日くらい、落語やっていなかったんですよ♪
本職は【草むしり】ですから・・・』
普通なら・・・ゲストに呼んでもらって、感謝するのに・・・?
わさびさんって・・・天然?
結構カミングアウトし過ぎじゃない?
本職は草むしりってどんな仕事よ・・・?
こんなマクラから噺に・・・
わ:『最近は、遊ぶ場所が増えてきました♪
昔の遊びは・・・吉原で・・・
『吉原遊女3000人』などと申しまして・・・
遊女の事を【オイラン】って言いますが・・・
あれは、何でか?
楽屋で師匠方に聞いたんです
すると・・・『狐・狸は・・・尾で化かす♪オイランは・・・口で騙すから・・・尾(オ)イラン!』なんですって♪』
こりゃ〜初耳な話だわ〜♪
オイランの語源に感心しきりで・・・
肝心の噺【お見立て】が逆に印象に残らなかったのが残念♪
【オイラン】の語源の話を噺の中程に挿入すれば良いのに・・・
仲入り
柳家 わさび 【茗荷屋】
以前一度、桃月庵白酒師匠から聞いた事がある噺。
わさびさん、白酒師匠から教えて貰ったのかしらん?
マクラでは・・・
わ:『夏場は暑くてモウロウとします、私、前座時代は、内弟子として修業しておりました、その頃、兄弟子の新八兄さんに、オサワリパブに連れていってもらいました♪早速翌日に、お礼の手紙を出しました♪
その手紙の文字は・・・私、寄席文字が書けるんですよ♪なので、寄席文字で・・・
しかし、その当時、新八兄さんは・・・新婚生活時代だったんですよ!
ボンヤリしていたらイケないって事ですね』
新婚生活家庭にオサワリパブのお礼の手紙を・・・?
ここで、
わさびさんおもむろに・・・
わ:『マクラを間違えた!』
えっ!???
わ:『新たに噺を覚えたくて、ある師匠に『教えて下さい!』ってお願いしたら・・・YouTubeに出ているから、とりあえずそれ見て、覚えてきて♪』
その話・・・本当ですか・・・?
こんなマクラから噺【茗荷屋】に・・・
でも、【茗荷屋】なら、前半の『間違えた!』ってマクラの話で、十分に噺の繋がりが有るのに・・・
『間違えた!』っていうのも、ボンヤリしていた・・・って事の振りなのかしらん?
だとすると、『間違えた!』は、緻密に計算された台詞になりますよねぇ・・・
計算しつくされた台詞か?またまた、たまたまそうなったのか?
真相は・・・???
わ:『現代は、宅急便などがあり、物流が発達しておりますが・・・江戸時代では【飛脚】が活躍しておりました。
その中には、江戸←→京を月に三往復もする早飛脚などもおりました♪』
茗荷屋という宿場外れの宿屋、そこの、老夫婦が宿屋名にもなっている宿屋の回りに自生している茗荷(茗荷を食べると物を忘れる)で、早飛脚が運んでいた100両の金子を忘れさせてしまおうと、一晩宿をとった飛脚に茗荷づくしの料理を出す♪
味噌汁・漬け物・焼き茗荷・茗荷の刺身・煮茗荷・茗荷の炊き込みごはん、翌朝の朝食には、焼き茗荷を半分に切った茗荷の開き・半熟茗荷、などなどとまさに、茗荷茗荷茗荷のオンパレード♪
早飛脚は、朝飯後に、挟み箱(100両が入った荷)を忘れて出発♪
まんまと茗荷計画が成功したと、喜んでいた茗荷屋の老夫婦、そこへ、荷を忘れたと、早飛脚が宿屋に戻ってきて、シッカリ荷を受けとり、再出発。
茗荷作戦は、大失敗♪だけど・・・何か忘れてる♪
それは・・・
早飛脚が宿代を払うのを忘れて行ってしまった!
というオチでした。
三遊亭 兼好師匠 【佃祭】
マクラでは・・・
兼:『ねぇ〜♪捉え所が無いでしょ〜♪
『マクラを振り間違えた!』って、あんなに、堂々とねぇ〜♪』
確かに・・・
兼:『人それぞれ得意分野というものが有りまして・・・
例えば、手術をするお医者様、心臓外科やら胃を専門に手術されるお医者様もいます。
心臓の専門外科医が、腸の手術が出来ますか・・・?・・・【チョーめんどくさい!】ってなりますでしょ?
神様にも得意分野が・・・
水天宮様は・・・産婦人科で、歯の神様は・・・戸隠様、川に掛かった橋の上から袂に入れておいた【梨】を願掛けしながら川へ放る、そして梨を食べない』
これは、現代では行われなくなっている風習の説明なので・・・噺【佃祭】のフルバージョンでのオチの説明ですね。
神田お玉が池の小間物屋の次郎兵衛さん、その女将さんってのが、ひどくヤキモチやきで、ヤキモチをやくと・・・次郎兵衛さんの顔を引っかくのだが・・・引っかかれた次郎兵衛さんの顔には・・・【編み目】の痕がつくように引っかく!
顔中編み目模様の引っかき傷の次郎兵衛さんの顔を想像しただけで・・・笑いがこみ上げて来ます。
祭り好きな次郎兵衛さんが、佃島の祭り【佃祭】を見に、佃島へ渡る・・・
祭り見物も済み、隅田川の渡し舟、終い舟に乗り込もうとすると・・・終い舟に乗せまいと次郎兵衛さんの着物の袖を引っ張る女性が・・・
その女性に着物の袖を引っ張られながら・・・次郎兵衛さん『私は、この終い舟に乗って帰らなくてはならないんですよ・・・もし、舟に乗り損なって、この佃島で一泊なん事になったら・・・喉に噛み付いてくるような女将さんがいるんですよ・・・』
引き止める女性も、それを振り払おうとする次郎兵衛さんも、どちらも必死・・・
終い舟に乗りそこなった、次郎兵衛さんが、終い舟の船頭に・・・『船頭さん!手を振っていては・・・ダメだよ!』
このセリフ・・・好きです♪
引き止めた女性に引き止めた訳(5年前に奉公先の売り掛けを無くし、途方に暮れて・・・お詫びに橋から身投げをしようとしていたところ、たまたまそこを通りかかった次郎兵衛さんに無くした売り掛け5両を恵んでもらった。その時は、ただただうれしくて、命の恩人の住まいもお名前も聞き忘れてしまった)を話し、自分の亭主が船頭をしてるので、必ず向こう岸に旦那様(次郎兵衛さん)をお連れいたします、亭主が帰ってくるまで、我が家でお寛ぎ下さいと女性の自宅へ招く。
帰れる算段のたった次郎兵衛さんは、勧められるままに、酒を飲み出す。
その頃、次郎兵衛さんが乗るつもりだった、終い舟、定員オーバーもいいところだった為に、なんと川の途中でひっくり返ってしまい、乗客が皆溺れてしまったとの連絡を亭主の船頭金五郎がもたらす。
それを聞いた次郎兵衛さん・・・『もし・・・私があの終い舟に乗っていたら・・・泳げない私は・・・鳥肌がたちましたよ!5両を恵まれて、命を救われましたとあなたは仰ったが・・・今度は私が終い舟に乗れないようにあなたに引き止められ、私が救われました!』
ここで、亭主金五郎が・・・『情けは人のためならず。旦那が旦那を助けたんですよ!』
【人に情けを掛けるのと・・・いずれその情けが自分に返ってくる】っていう意味ですね。
この【佃祭】の噺を知る前は【情けは人のためならず】の本当の意味を穿違えておりました。
このシーンも大好きです。
By HB
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