1月27日落語会4
三遊亭 兼好師匠 【陸奥間違い】
高座に登場する姿・・・袴を着用しての登場です!
\(^o^)/
袴の着用だから・・・(武士)の噺?
マクラでは・・・
兼:『和楽器の琵琶・・・落語とは、格が違いますね♪』
兼:『そして、【つる】でしたが・・・機(ハタ)を織る・・・三日・五日と我慢するが・・・ついに、十日目に、我慢出来ずに戸を開けてみると・・・何もかもが無くなっている。助けたのは、(つる)ではなくて、(鷺)サギだった!』
兼好師匠にかかると何でも落とし噺?になってしまいますね♪
\(^o^)/
兼:『坂田さんには、夏に怪談噺でもやって頂きましょう!その時は、いい加減な呼び方ではなく、ちゃんとゲスト出演の依頼をさせてもらって・・・』
生で琵琶演奏なんて、なかなか見られる、聞ける機会が、そう数あるチャンスでは有りませんから・・・楽しみが一つ増えましたね♪
兼:『間違い、失敗は、人間の魅力ですが・・・
噺をしていて、一度失敗すると・・・その後、同じ噺の同じ所で失敗を繰返します。
それは、脳が失敗を学習するからなんです・・・例えば、サッカーのPK で一人が失敗すると、それを見ていた次の人も失敗する!脳が学習するのなら・・・上手くいく方は学習しないのか?・・・それは、脳が学習しても、技術が伴わないと、体現出来ません!逆に、失敗は技術が無くても体現出来ますから・・・』
先日のサッカーのアジアカップ、延長戦でも決着がつかず、PK 戦でまさかの日本代表の敗退を目の当たりにしましたからね・・・
こんなマクラから噺【陸奥間違い】に・・・
この【陸奥間違い】の噺が大好きです。
文頭に記した様に、兼好師匠が袴姿での登場時に、この噺をしてくれないかなぁ〜♪と、かなり期待がUP↑UP↑でした。
その期待に兼好師匠は、見事応えてくれました。
この噺なら、何編リピートされても復習してもらっても、OK でござんす。
そして、この噺を、前回聞けたのが、2014年4月。
実に、10カ月ぶりに聞けて、本日の落語会参戦満足度も更にUP↑です。
【陸奥間違い】は、他の噺家さんが演じない珍しい噺なので、噺の概要を・・・
旗本御家人の穴山小左衛門、役職はお台所役で、30俵の禄高。
その穴山小左衛門が自宅に帰宅して妻に話しかける・・・
穴:『我が家だけ金が無いのではなく、世間も金が無いようだ!どうにもならん!』
妻:『30両のお金を借りられなかったのですか?』
穴:『何軒か心当たりに聞いて回ったが、どこもダメだった』
穴山小左衛門は、月末までに、支払の為に、30両のお金が必要であり、今しがたまで、その金策に走り回ってきたのであった。
穴:『困ったな!本日中に、30両を工面せねばならぬのに・・・』
妻:『そう言えば、あなた、松納様には、お訊ねになられましたか?』
穴:『松納・・・?以前隣に住んでおって、字が上手な為に、祐筆に取り立てられて出世した松納か・・・?それは、忘れておった!良い人を思い出してくれた♪』
妻:『では、松納様に・・・』
穴:『松納なら、隣り合わせに住んでいる時分から、義兄弟の盃を交わした間柄、出世している事もあり、ワシからの頼みなら、30両という金も何とか工面してくれるだろ♪
ただ・・・松納が出世して、祐筆に取り立てられた時、我が家の隣から、芝内の屋敷に引っ越したのだが、その時、引っ越し祝いをしていない!今日、いきなりワシが松納を訪ねると・・・引っ越しの祝いに訪問したと勘違いをされる・・・どうしたものか・・・?』
妻:『使いを出しては、いかがでしょうか?』
穴:『それは、妙案だな♪使いに手紙を持たせて金の工面の依頼をしてみるか♪』
芝内に屋敷を構える元同僚の松納陸奥守に手紙で借金の依頼をする事に・・・
穴:『権助や!・・・権助や!・・・』
権:『へぇ〜い、お呼びでごぜぇますか?』
穴:『権助か!これから、使いに行ってもらいたいのだが・・・』
権:『どこさ?いくだ?』
穴:『芝内にワシの元同僚で、松納陸奥守様がいらっしゃる、そこへ手紙を届けてもらいたいのだが・・・』
権:『松納様にですか?』
穴:『そうだ!』
権:『手紙を?』
穴:『松納陸奥守様は、以前ワシと隣り合わせ住んでおって、義兄弟の盃を交わした仲だ、用向きを書いたこの手紙を届ければ、向こうでの口上の心配はいらない♪』
その様に指示された権助は、穴山小左衛門から松納陸奥守宛に書かれた手紙を預かって出掛けていく。
権助は、田舎から出てきて、穴山小左衛門に奉公するようになって、まだ日が浅い。
江戸の賑やかな雑踏の中、芝内の松納陸奥守の屋敷を目指していたが・・・
馴れない雑踏の中、あっちの人にぶつかり、こっちの人にぶつかりして・・・
権:『ごめんなさいねぇ〜』
などと、謝り謝り歩を進めて行くうちに、目的地の芝内も松納陸奥守の名前も忘れてしまう・・・
困った権助は、側に有った床屋で、手紙の宛先を読んでもらって、そこへの行き方を教えてもらおうと・・・
権:『あの〜すんません!オラ〜これから何処へ行くんだか?』
床:『エッ!またぁ〜変なのが飛び込んで来やがったな?自分で自分の行先を聞いていやがらぁ〜♪』
権:『そぅ〜でねぇ〜んだ!オラの行先は、ここに書いてあるんだ〜♪』
床:『どれどれ、見せてみろ!』
権助は預かった手紙を床屋に見せる。
床:『ふ〜ん♪それじゃ〜後で読んでおいてやるから、三日後くらいにまたおいで・・・』
権:『三日後じゃ〜遅いんだ!・・・直ぐでないと・・・さては、お前さんも、オラと同じで、字が読めないではないのかい〜♪』
床:『そんな事はないよ!読めば良いんだな?』
権:『ハイ!おねげぇ〜しやす♪』
床屋がいくら、字が読めると虚勢を張っても・・・字を読めないものは読めない!
そこで、床屋は、店に来ていたご隠居に手紙の宛先を読んでもらうことに・・・
床:『ご隠居、これなんですがねぇ〜ヤロウの為に読んでやって下さいませんか?』
ご:『ハイハイ!どれどれ!』
ご隠居が権助の手紙を手に取ると・・・
ご:『ホッホ〜♪これは、珍しい、今時、欠字を使っておるの♪』
欠字とは、身分の高い相手に手紙を出す場合、宛名の文字の一部を空白にして書く作法であり
ご:『松 陸奥守様と有るな♪』
権:『アッ!確かに、松なんとかさんって、言われました♪』
ご:『そのお方の住まいは、何処だと聞いている?』
権:『確か・・・【しば】・・・?』
ご:『それは、【芝】ではないか?それならば、この手紙の宛名は、松平陸奥守様だな♪』
権:『ま・つ・でぇ・ら・むつのかみ?』
松納陸奥守の宛名が松平陸奥守に変わってしまった事に全く気付かず、ご隠居に教えられた道順で、芝の松平陸奥守様の屋敷の前まで着た権助。
権助は、屋根瓦に『竹に雀』の家紋が入った立派なお屋敷にビックリしながらも、門番に使者であることを告げる。
門前から中に通され、権助は、使者の間に通される。
そこでは、使者対応専門のお使者係、渡辺二朗左衛門が取り次ぎをしてくれた。
渡:『で、本日の御用の向きは・・・?』
権:『なんでもまぁ〜うちのご主人様の穴山小左衛門から、こちらのまつでぇら様へと手紙を預かってきたんだか・・・』
渡:『お手紙を・・・!』
権:『うん、そ〜だぁ〜♪なんでも、うちの穴山小左衛門とお宅の殿様は、以前に義兄弟の盃を交わした間柄だそ〜だよ♪』
渡:『義兄弟の盃を・・・して、そのお手紙をお預け願えますか?』
権:『うん、これがそぉ〜だ♪』
権助は、穴山小左衛門から預かった、手紙を渡辺二朗左衛門に手渡す!
長年お使者係を勤めてきた渡辺二朗左衛門、しかし、我が殿様の交遊されている方々の中で、穴山小左衛門の名前は初めて聞いた!
それに、穴山小左衛門と我が殿様が義兄弟の盃を交わした間柄であるとまで聞いたので・・・
我が殿様である松平陸奥守(伊達少将)(当時の副将軍)に手紙を提出する前に・・・
差出人の穴山小左衛門の名前を大小全ての大名を網羅した大名図鑑で調べる。
しかしながら、大名図鑑には、穴山小左衛門の名前は、どこを探しても無い!
念のために、今度は、旗本・御家人図鑑を調べてみると・・・穴山小左衛門の名前が・・・有った♪
しかも、その旗本・御家人図鑑の一番最後のページに穴山小左衛門の名前が有るではないか?
よくよく見ると、役職は、お台所役で30俵の禄高である。
片や30俵の禄高の御家人と片や65万石の大大名の我が殿様伊達少将との交遊・義兄弟の盃を交わした間柄に・・・???
渡辺二朗左衛門は、恐る恐る殿様の伊達少将に、穴山小左衛門からの手紙を差し出す。
少将:『穴山小左衛門からの手紙・・・?穴山小左衛門・・・?その名前に覚えは無いが、どれ、手紙を見せてみよ!』
渡:『ハッ!こちらになります!』
渡辺二朗左衛門より手紙を受け取り、穴山小左衛門からの手紙を読み始める伊達少将。
手紙を読むと、その内容は、金の工面の申し入れで、差出人は、伊達家のような外様大名とは、仲が悪い旗本・御家人からの手紙であった。
とんでもない使者を招き入れ、手紙の取り次ぎをしてしまい、恐縮しきりの渡辺二朗左衛門に、鷹揚な伊達少将は・・・
少将:『江戸詰め大名数ある中で、大名の中の大名と見込んでの借金の申し入れじゃ〜♪願いを叶えてやれ、ただし、伊達家65万石への借財の申し入れで、30両はあるべくもない、十と千を間違えたのじゃろぅ〜♪3000両にして、直しておけ〜♪』
渡:『ハッハ〜!』
伊達少将と渡辺二朗左衛が穴山小左衛門からの手紙を読んでいる間、使いの権助は、使者の間において、ご馳走の品々とお酒を出され、チャッカリと接待され・・・
権:『うわ〜♪すんげ〜なぁ〜♪これみんな、どれ食べても良いんだか?全部は食べきれんなぁ〜♪それに、この酒、うんめ〜なぁ〜♪いったいこの酒は、一升幾らなんだ?いつもこんなうんめ〜酒を飲んでいるんだか?』
権助は、使者の間での接待を受けながら、次第に酒に酔って上機嫌になっていく♪
権:『あの〜この食べきれないご馳走なんだけど、包んで貰って持って帰るっう訳にはいかないんだか?』
こんな権助とは対称的に、穴山小左衛門は、自宅で、松納陸奥守への30両の借金申し入れの良い返事を持ち帰る権助の帰宅を首を長くして、待ちわびている。
By HB
続きは、パート5で・・・
高座に登場する姿・・・袴を着用しての登場です!
\(^o^)/
袴の着用だから・・・(武士)の噺?
マクラでは・・・
兼:『和楽器の琵琶・・・落語とは、格が違いますね♪』
兼:『そして、【つる】でしたが・・・機(ハタ)を織る・・・三日・五日と我慢するが・・・ついに、十日目に、我慢出来ずに戸を開けてみると・・・何もかもが無くなっている。助けたのは、(つる)ではなくて、(鷺)サギだった!』
兼好師匠にかかると何でも落とし噺?になってしまいますね♪
\(^o^)/
兼:『坂田さんには、夏に怪談噺でもやって頂きましょう!その時は、いい加減な呼び方ではなく、ちゃんとゲスト出演の依頼をさせてもらって・・・』
生で琵琶演奏なんて、なかなか見られる、聞ける機会が、そう数あるチャンスでは有りませんから・・・楽しみが一つ増えましたね♪
兼:『間違い、失敗は、人間の魅力ですが・・・
噺をしていて、一度失敗すると・・・その後、同じ噺の同じ所で失敗を繰返します。
それは、脳が失敗を学習するからなんです・・・例えば、サッカーのPK で一人が失敗すると、それを見ていた次の人も失敗する!脳が学習するのなら・・・上手くいく方は学習しないのか?・・・それは、脳が学習しても、技術が伴わないと、体現出来ません!逆に、失敗は技術が無くても体現出来ますから・・・』
先日のサッカーのアジアカップ、延長戦でも決着がつかず、PK 戦でまさかの日本代表の敗退を目の当たりにしましたからね・・・
こんなマクラから噺【陸奥間違い】に・・・
この【陸奥間違い】の噺が大好きです。
文頭に記した様に、兼好師匠が袴姿での登場時に、この噺をしてくれないかなぁ〜♪と、かなり期待がUP↑UP↑でした。
その期待に兼好師匠は、見事応えてくれました。
この噺なら、何編リピートされても復習してもらっても、OK でござんす。
そして、この噺を、前回聞けたのが、2014年4月。
実に、10カ月ぶりに聞けて、本日の落語会参戦満足度も更にUP↑です。
【陸奥間違い】は、他の噺家さんが演じない珍しい噺なので、噺の概要を・・・
旗本御家人の穴山小左衛門、役職はお台所役で、30俵の禄高。
その穴山小左衛門が自宅に帰宅して妻に話しかける・・・
穴:『我が家だけ金が無いのではなく、世間も金が無いようだ!どうにもならん!』
妻:『30両のお金を借りられなかったのですか?』
穴:『何軒か心当たりに聞いて回ったが、どこもダメだった』
穴山小左衛門は、月末までに、支払の為に、30両のお金が必要であり、今しがたまで、その金策に走り回ってきたのであった。
穴:『困ったな!本日中に、30両を工面せねばならぬのに・・・』
妻:『そう言えば、あなた、松納様には、お訊ねになられましたか?』
穴:『松納・・・?以前隣に住んでおって、字が上手な為に、祐筆に取り立てられて出世した松納か・・・?それは、忘れておった!良い人を思い出してくれた♪』
妻:『では、松納様に・・・』
穴:『松納なら、隣り合わせに住んでいる時分から、義兄弟の盃を交わした間柄、出世している事もあり、ワシからの頼みなら、30両という金も何とか工面してくれるだろ♪
ただ・・・松納が出世して、祐筆に取り立てられた時、我が家の隣から、芝内の屋敷に引っ越したのだが、その時、引っ越し祝いをしていない!今日、いきなりワシが松納を訪ねると・・・引っ越しの祝いに訪問したと勘違いをされる・・・どうしたものか・・・?』
妻:『使いを出しては、いかがでしょうか?』
穴:『それは、妙案だな♪使いに手紙を持たせて金の工面の依頼をしてみるか♪』
芝内に屋敷を構える元同僚の松納陸奥守に手紙で借金の依頼をする事に・・・
穴:『権助や!・・・権助や!・・・』
権:『へぇ〜い、お呼びでごぜぇますか?』
穴:『権助か!これから、使いに行ってもらいたいのだが・・・』
権:『どこさ?いくだ?』
穴:『芝内にワシの元同僚で、松納陸奥守様がいらっしゃる、そこへ手紙を届けてもらいたいのだが・・・』
権:『松納様にですか?』
穴:『そうだ!』
権:『手紙を?』
穴:『松納陸奥守様は、以前ワシと隣り合わせ住んでおって、義兄弟の盃を交わした仲だ、用向きを書いたこの手紙を届ければ、向こうでの口上の心配はいらない♪』
その様に指示された権助は、穴山小左衛門から松納陸奥守宛に書かれた手紙を預かって出掛けていく。
権助は、田舎から出てきて、穴山小左衛門に奉公するようになって、まだ日が浅い。
江戸の賑やかな雑踏の中、芝内の松納陸奥守の屋敷を目指していたが・・・
馴れない雑踏の中、あっちの人にぶつかり、こっちの人にぶつかりして・・・
権:『ごめんなさいねぇ〜』
などと、謝り謝り歩を進めて行くうちに、目的地の芝内も松納陸奥守の名前も忘れてしまう・・・
困った権助は、側に有った床屋で、手紙の宛先を読んでもらって、そこへの行き方を教えてもらおうと・・・
権:『あの〜すんません!オラ〜これから何処へ行くんだか?』
床:『エッ!またぁ〜変なのが飛び込んで来やがったな?自分で自分の行先を聞いていやがらぁ〜♪』
権:『そぅ〜でねぇ〜んだ!オラの行先は、ここに書いてあるんだ〜♪』
床:『どれどれ、見せてみろ!』
権助は預かった手紙を床屋に見せる。
床:『ふ〜ん♪それじゃ〜後で読んでおいてやるから、三日後くらいにまたおいで・・・』
権:『三日後じゃ〜遅いんだ!・・・直ぐでないと・・・さては、お前さんも、オラと同じで、字が読めないではないのかい〜♪』
床:『そんな事はないよ!読めば良いんだな?』
権:『ハイ!おねげぇ〜しやす♪』
床屋がいくら、字が読めると虚勢を張っても・・・字を読めないものは読めない!
そこで、床屋は、店に来ていたご隠居に手紙の宛先を読んでもらうことに・・・
床:『ご隠居、これなんですがねぇ〜ヤロウの為に読んでやって下さいませんか?』
ご:『ハイハイ!どれどれ!』
ご隠居が権助の手紙を手に取ると・・・
ご:『ホッホ〜♪これは、珍しい、今時、欠字を使っておるの♪』
欠字とは、身分の高い相手に手紙を出す場合、宛名の文字の一部を空白にして書く作法であり
ご:『松 陸奥守様と有るな♪』
権:『アッ!確かに、松なんとかさんって、言われました♪』
ご:『そのお方の住まいは、何処だと聞いている?』
権:『確か・・・【しば】・・・?』
ご:『それは、【芝】ではないか?それならば、この手紙の宛名は、松平陸奥守様だな♪』
権:『ま・つ・でぇ・ら・むつのかみ?』
松納陸奥守の宛名が松平陸奥守に変わってしまった事に全く気付かず、ご隠居に教えられた道順で、芝の松平陸奥守様の屋敷の前まで着た権助。
権助は、屋根瓦に『竹に雀』の家紋が入った立派なお屋敷にビックリしながらも、門番に使者であることを告げる。
門前から中に通され、権助は、使者の間に通される。
そこでは、使者対応専門のお使者係、渡辺二朗左衛門が取り次ぎをしてくれた。
渡:『で、本日の御用の向きは・・・?』
権:『なんでもまぁ〜うちのご主人様の穴山小左衛門から、こちらのまつでぇら様へと手紙を預かってきたんだか・・・』
渡:『お手紙を・・・!』
権:『うん、そ〜だぁ〜♪なんでも、うちの穴山小左衛門とお宅の殿様は、以前に義兄弟の盃を交わした間柄だそ〜だよ♪』
渡:『義兄弟の盃を・・・して、そのお手紙をお預け願えますか?』
権:『うん、これがそぉ〜だ♪』
権助は、穴山小左衛門から預かった、手紙を渡辺二朗左衛門に手渡す!
長年お使者係を勤めてきた渡辺二朗左衛門、しかし、我が殿様の交遊されている方々の中で、穴山小左衛門の名前は初めて聞いた!
それに、穴山小左衛門と我が殿様が義兄弟の盃を交わした間柄であるとまで聞いたので・・・
我が殿様である松平陸奥守(伊達少将)(当時の副将軍)に手紙を提出する前に・・・
差出人の穴山小左衛門の名前を大小全ての大名を網羅した大名図鑑で調べる。
しかしながら、大名図鑑には、穴山小左衛門の名前は、どこを探しても無い!
念のために、今度は、旗本・御家人図鑑を調べてみると・・・穴山小左衛門の名前が・・・有った♪
しかも、その旗本・御家人図鑑の一番最後のページに穴山小左衛門の名前が有るではないか?
よくよく見ると、役職は、お台所役で30俵の禄高である。
片や30俵の禄高の御家人と片や65万石の大大名の我が殿様伊達少将との交遊・義兄弟の盃を交わした間柄に・・・???
渡辺二朗左衛門は、恐る恐る殿様の伊達少将に、穴山小左衛門からの手紙を差し出す。
少将:『穴山小左衛門からの手紙・・・?穴山小左衛門・・・?その名前に覚えは無いが、どれ、手紙を見せてみよ!』
渡:『ハッ!こちらになります!』
渡辺二朗左衛門より手紙を受け取り、穴山小左衛門からの手紙を読み始める伊達少将。
手紙を読むと、その内容は、金の工面の申し入れで、差出人は、伊達家のような外様大名とは、仲が悪い旗本・御家人からの手紙であった。
とんでもない使者を招き入れ、手紙の取り次ぎをしてしまい、恐縮しきりの渡辺二朗左衛門に、鷹揚な伊達少将は・・・
少将:『江戸詰め大名数ある中で、大名の中の大名と見込んでの借金の申し入れじゃ〜♪願いを叶えてやれ、ただし、伊達家65万石への借財の申し入れで、30両はあるべくもない、十と千を間違えたのじゃろぅ〜♪3000両にして、直しておけ〜♪』
渡:『ハッハ〜!』
伊達少将と渡辺二朗左衛が穴山小左衛門からの手紙を読んでいる間、使いの権助は、使者の間において、ご馳走の品々とお酒を出され、チャッカリと接待され・・・
権:『うわ〜♪すんげ〜なぁ〜♪これみんな、どれ食べても良いんだか?全部は食べきれんなぁ〜♪それに、この酒、うんめ〜なぁ〜♪いったいこの酒は、一升幾らなんだ?いつもこんなうんめ〜酒を飲んでいるんだか?』
権助は、使者の間での接待を受けながら、次第に酒に酔って上機嫌になっていく♪
権:『あの〜この食べきれないご馳走なんだけど、包んで貰って持って帰るっう訳にはいかないんだか?』
こんな権助とは対称的に、穴山小左衛門は、自宅で、松納陸奥守への30両の借金申し入れの良い返事を持ち帰る権助の帰宅を首を長くして、待ちわびている。
By HB
続きは、パート5で・・・
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