1月27日落語会5
伊達家の接待を受け、ゴキゲンで帰宅した権助。
\(^o^)/
穴:『権助!遅かったな!』
権:『たでぇ〜ま、けぇ〜りやした』(酔っ払っている)
穴:『で・・・いかがであった?』
権:『そりゃ〜だいじょうぶでふッ・・・後からちゃ〜んとお使者係っていう人が・・・渡辺二朗左衛門っていうんだけどな・・・その人が来るから・・・』
穴:『そちは・・・酔っておるのか・・・?』
権助の酔態・・・金の工面の返事をお使者が届けに来る・・・
???の状態に陥る穴山小左衛門!
権助をよく見ると・・・なにやら包みを持っている。
穴:『権助!それは何だ・・・?』
権:『アッ!これでがんすか?これはですねぇ〜♪お土産なんですよ〜♪』
穴:『土産・・・?コッチによこしてみろ!』
権:『へぇ〜い♪』
穴山は、権助から包みを受け取り、包みを開くと・・・
中から出てきたのは、三段の立派なお重・・・
そのお重には・・・【竹に雀】の紋所が・・・
穴:『そちゃ〜伊達家に行ったのか〜?』
権:『んだ!おらぁ〜旦那様に言われた通り、【芝】の【松平陸奥守】様のところへ行ってめ〜りやした!』
穴:『・・・・・・・・・・・・・・・・・』
このタイミングで穴山小左衛門宅に、伊達家のお使者係の渡辺二朗左衛門が訪ねてきた!
渡:『あぁ〜ごめん!穴山小左衛門殿のお宅はこちらで間違いないか?』
穴:『穴山小左衛門は私でございます』
渡:『貴殿が穴山殿か・・・拙者、伊達家お使者係、渡辺二朗左衛門と申す、我が殿、伊達少将の命により貴殿に3000両を届けに参った!』
穴:『3000両〜!』
渡:『受け取られよ!』
穴:『・・・・・・・・・・・・・・・・』
渡:『どうなされた?受け取られよ!』
穴:『これは・・・これは・・・間違いでございます!
私は、この権助なる者に、私の元同僚で芝内に住む、松納陸奥守様宛の手紙を持たせ、使いにやったのですが、それがどこでどう間違って松平様・伊達様へ行ってしまったのか・・・?』
渡:『では、これなる権助が行き先を間違えたと申すか・・・?
そちと、我が殿伊達少将の間において、義兄弟の盃を交わしたというのも・・・?』
穴:『間違いでございます!』
渡:『だよなぁ〜♪』
ここで問題なのは、穴山小左衛門がこの3000両を受け取るか?受け取らないか?
穴山は旗本・御家人として外様大名の伊達少将の情けは受けられない立場、かといって、伊達家の親切を無下に断るのも武士の道ではなく、まして、3000両の受け取りを拒めば、お使者係として来ている目の前の渡辺二朗左衛門はきっと腹を切るだろう・・・
思案に困った穴山小左衛門は、自分の上司であり、知恵者の森川伊豆守に事の顛末を話し、どのようにすれば良いか?を再び、権助に聞きに行かせる!
森川伊豆守は、その時、江戸城に登城しており、権助は、江戸城門前にて森川伊豆守が下城してくるのを待っていると門番が権助を不審がり・・・
門:『そちは、何者?なぜお城の門前に居る?』
権:『おらぁ〜ごんすけと申します!ご主人様に言い付かって・・・いずのかみ様をお待ちしておるんですが・・・』
門:『なんという伊豆守様だ・・・?』
権:『いずのかみ様って何人もいるんだか・・・?』
門:『そうだぞ!その方は、どのような方なのだ・・・?』
権:『なんでもまぁ〜頭が良くて知恵がお有りだとか・・・』
門:『知恵がある・・・伊豆守様・・・?それは、松平伊豆守様ではないか・・・?別名知恵伊豆様というくらいだからな・・・』
権:『ま・つ・でぇ・ら?また・・・ま・つ・でぇ・らですか・・・?』
門:『松平伊豆守様なら、じきにここをお通りになられる、そこでしばらく控えておれ!』
権:『へぇ〜い♪』
またまた、権助の訪ねる相手がすり替わった事にも気づかない・・・
門番の仲立ちにより権助は、下城途中の松平伊豆守様にお目にかかれる・・・
この松平伊豆守様はたいへんな知恵者であって、こんな逸話が・・・
ある時、江戸市中が大火にみまわれ・・・その火が江戸城にも飛び火した・・・
火はみるみるうちに燃え広がり、城内逃げ惑う人々で大混乱に!
逃げようの無いのが、大奥にお住まいの方々・・・
大奥より外へ出た事が無いわけですから・・・どちらへ逃げれば良いか分からない・・・
そこに、登場したのが、松平伊豆守、畳をパン!と裏返して避難する道筋を示し、大奥の方々を避難誘導した・・・結果、この大火で、大奥からは一人もけが人や死人が出なかった!
そのような知恵者の松平伊豆守様に事の顛末を話し、どのように対応(3000両は受け取るべきか?受け取らざるべきか?)するかを、権助が尋ねると・・・
伊:『伊達少将が相手となると、拙者の存念だけでは決めかねる!再び登城して、上様にご相談申し上げてくる、しばし待て、腹は決して切ってはならんぞ!』
不思議な事件の話を聞きながら、松平伊豆守は、穴山小左衛門が、いざとなれば腹を切って事を収めようとしている事までシッカリ見抜いていたのでありました。
伊:『まだ、いらっしゃれば良いのだが・・・』
そう言いながら、御座所に足を運ぶ・・・
御座所にまだ残っていたのが、第四代将軍、徳川家綱将軍。
この将軍徳川家綱は、ことを決めるにあたり、自らは動かず、周りの者に意見を出させて『そ〜せ〜♪』と命じていたため、別名『そ〜せ〜公』と呼ばれていた。
伊:『不思議な話で、殿の直参旗本・御家人の穴山小左衛門へ伊達少将より3000両が・・・いかがいたしましょう・・・?』
将:『伊豆守、そちはどう思う?』
伊:『ハッ!これは、断って角をたてるより、貰っておきましょう!』
将:『そぅ〜であるか?』
伊:『頂いておいて、いずれ伊達様が登城なさった時に、『先日は、私の家来が世話になりました、ありがとう』とされれば、外様の伊達様も面目がたつでしょう』
将:『そ〜せ〜♪』
家綱将軍の決定を頂き、松平伊豆守は再び、下城し江戸城門外にて、権助に・・・『もらって、よし!』を伝える。
そして、後日、将軍家綱に挨拶に訪れた、伊達少将に対して、今回のような事件が起きたのは、官名の【陸奥守】が複数居るからであり、【陸奥守】の官名は、伊達家のみとする計らいをした。
3000両では、引き換えに出来ない過分の名誉を得たことで、伊達家で宴が催された・・・
その宴には・・・
穴:『権助!なんで、ワシがこのような宴に・・・』
ご主人様の穴山小左衛門の隣には、ニコニコ笑顔の権助が・・・
(^_^)v
権:『大丈夫だぁ〜♪今日は、ちゃ〜んと招待されて、ここへ来ているんだから〜♪』
少将:『穴山♪そちのお陰で、【陸奥守】の官名は、伊達家のみとする栄誉を頂いた♪これからは、そちとわしは、義兄弟じゃ〜♪いつでも金を借りにまいれよ♪』
穴:『めっそうもございません!』
少将:『アハハハハ・・・』
大大名の伊達家の宴で、場違いな?穴山小左衛門と権助だが・・・
その隣には、より場違いな?二人が・・・
その二人とは・・・
松納と松平を読み違えた・・・
床屋とご隠居が・・・
【陸奥間違い】というおめでたい一席。
\(^o^)/
By HB
\(^o^)/
穴:『権助!遅かったな!』
権:『たでぇ〜ま、けぇ〜りやした』(酔っ払っている)
穴:『で・・・いかがであった?』
権:『そりゃ〜だいじょうぶでふッ・・・後からちゃ〜んとお使者係っていう人が・・・渡辺二朗左衛門っていうんだけどな・・・その人が来るから・・・』
穴:『そちは・・・酔っておるのか・・・?』
権助の酔態・・・金の工面の返事をお使者が届けに来る・・・
???の状態に陥る穴山小左衛門!
権助をよく見ると・・・なにやら包みを持っている。
穴:『権助!それは何だ・・・?』
権:『アッ!これでがんすか?これはですねぇ〜♪お土産なんですよ〜♪』
穴:『土産・・・?コッチによこしてみろ!』
権:『へぇ〜い♪』
穴山は、権助から包みを受け取り、包みを開くと・・・
中から出てきたのは、三段の立派なお重・・・
そのお重には・・・【竹に雀】の紋所が・・・
穴:『そちゃ〜伊達家に行ったのか〜?』
権:『んだ!おらぁ〜旦那様に言われた通り、【芝】の【松平陸奥守】様のところへ行ってめ〜りやした!』
穴:『・・・・・・・・・・・・・・・・・』
このタイミングで穴山小左衛門宅に、伊達家のお使者係の渡辺二朗左衛門が訪ねてきた!
渡:『あぁ〜ごめん!穴山小左衛門殿のお宅はこちらで間違いないか?』
穴:『穴山小左衛門は私でございます』
渡:『貴殿が穴山殿か・・・拙者、伊達家お使者係、渡辺二朗左衛門と申す、我が殿、伊達少将の命により貴殿に3000両を届けに参った!』
穴:『3000両〜!』
渡:『受け取られよ!』
穴:『・・・・・・・・・・・・・・・・』
渡:『どうなされた?受け取られよ!』
穴:『これは・・・これは・・・間違いでございます!
私は、この権助なる者に、私の元同僚で芝内に住む、松納陸奥守様宛の手紙を持たせ、使いにやったのですが、それがどこでどう間違って松平様・伊達様へ行ってしまったのか・・・?』
渡:『では、これなる権助が行き先を間違えたと申すか・・・?
そちと、我が殿伊達少将の間において、義兄弟の盃を交わしたというのも・・・?』
穴:『間違いでございます!』
渡:『だよなぁ〜♪』
ここで問題なのは、穴山小左衛門がこの3000両を受け取るか?受け取らないか?
穴山は旗本・御家人として外様大名の伊達少将の情けは受けられない立場、かといって、伊達家の親切を無下に断るのも武士の道ではなく、まして、3000両の受け取りを拒めば、お使者係として来ている目の前の渡辺二朗左衛門はきっと腹を切るだろう・・・
思案に困った穴山小左衛門は、自分の上司であり、知恵者の森川伊豆守に事の顛末を話し、どのようにすれば良いか?を再び、権助に聞きに行かせる!
森川伊豆守は、その時、江戸城に登城しており、権助は、江戸城門前にて森川伊豆守が下城してくるのを待っていると門番が権助を不審がり・・・
門:『そちは、何者?なぜお城の門前に居る?』
権:『おらぁ〜ごんすけと申します!ご主人様に言い付かって・・・いずのかみ様をお待ちしておるんですが・・・』
門:『なんという伊豆守様だ・・・?』
権:『いずのかみ様って何人もいるんだか・・・?』
門:『そうだぞ!その方は、どのような方なのだ・・・?』
権:『なんでもまぁ〜頭が良くて知恵がお有りだとか・・・』
門:『知恵がある・・・伊豆守様・・・?それは、松平伊豆守様ではないか・・・?別名知恵伊豆様というくらいだからな・・・』
権:『ま・つ・でぇ・ら?また・・・ま・つ・でぇ・らですか・・・?』
門:『松平伊豆守様なら、じきにここをお通りになられる、そこでしばらく控えておれ!』
権:『へぇ〜い♪』
またまた、権助の訪ねる相手がすり替わった事にも気づかない・・・
門番の仲立ちにより権助は、下城途中の松平伊豆守様にお目にかかれる・・・
この松平伊豆守様はたいへんな知恵者であって、こんな逸話が・・・
ある時、江戸市中が大火にみまわれ・・・その火が江戸城にも飛び火した・・・
火はみるみるうちに燃え広がり、城内逃げ惑う人々で大混乱に!
逃げようの無いのが、大奥にお住まいの方々・・・
大奥より外へ出た事が無いわけですから・・・どちらへ逃げれば良いか分からない・・・
そこに、登場したのが、松平伊豆守、畳をパン!と裏返して避難する道筋を示し、大奥の方々を避難誘導した・・・結果、この大火で、大奥からは一人もけが人や死人が出なかった!
そのような知恵者の松平伊豆守様に事の顛末を話し、どのように対応(3000両は受け取るべきか?受け取らざるべきか?)するかを、権助が尋ねると・・・
伊:『伊達少将が相手となると、拙者の存念だけでは決めかねる!再び登城して、上様にご相談申し上げてくる、しばし待て、腹は決して切ってはならんぞ!』
不思議な事件の話を聞きながら、松平伊豆守は、穴山小左衛門が、いざとなれば腹を切って事を収めようとしている事までシッカリ見抜いていたのでありました。
伊:『まだ、いらっしゃれば良いのだが・・・』
そう言いながら、御座所に足を運ぶ・・・
御座所にまだ残っていたのが、第四代将軍、徳川家綱将軍。
この将軍徳川家綱は、ことを決めるにあたり、自らは動かず、周りの者に意見を出させて『そ〜せ〜♪』と命じていたため、別名『そ〜せ〜公』と呼ばれていた。
伊:『不思議な話で、殿の直参旗本・御家人の穴山小左衛門へ伊達少将より3000両が・・・いかがいたしましょう・・・?』
将:『伊豆守、そちはどう思う?』
伊:『ハッ!これは、断って角をたてるより、貰っておきましょう!』
将:『そぅ〜であるか?』
伊:『頂いておいて、いずれ伊達様が登城なさった時に、『先日は、私の家来が世話になりました、ありがとう』とされれば、外様の伊達様も面目がたつでしょう』
将:『そ〜せ〜♪』
家綱将軍の決定を頂き、松平伊豆守は再び、下城し江戸城門外にて、権助に・・・『もらって、よし!』を伝える。
そして、後日、将軍家綱に挨拶に訪れた、伊達少将に対して、今回のような事件が起きたのは、官名の【陸奥守】が複数居るからであり、【陸奥守】の官名は、伊達家のみとする計らいをした。
3000両では、引き換えに出来ない過分の名誉を得たことで、伊達家で宴が催された・・・
その宴には・・・
穴:『権助!なんで、ワシがこのような宴に・・・』
ご主人様の穴山小左衛門の隣には、ニコニコ笑顔の権助が・・・
(^_^)v
権:『大丈夫だぁ〜♪今日は、ちゃ〜んと招待されて、ここへ来ているんだから〜♪』
少将:『穴山♪そちのお陰で、【陸奥守】の官名は、伊達家のみとする栄誉を頂いた♪これからは、そちとわしは、義兄弟じゃ〜♪いつでも金を借りにまいれよ♪』
穴:『めっそうもございません!』
少将:『アハハハハ・・・』
大大名の伊達家の宴で、場違いな?穴山小左衛門と権助だが・・・
その隣には、より場違いな?二人が・・・
その二人とは・・・
松納と松平を読み違えた・・・
床屋とご隠居が・・・
【陸奥間違い】というおめでたい一席。
\(^o^)/
By HB
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